TREASURE★CHEST

果たして長続きするのだろうか?と思いつつ、今日まで続いているブログ

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対岸の女

2015年 07月20日 23:23 (月)

高一、冬の話。
冬の早朝、友人と池にバス釣りに出掛ける。
バイクの方がラクで良かったが、隠してあるカマキリみたいなアメリカンはメーターすらついてない違法改造だったし、マフラーはとんでもなくうるさい。それ以前に、そもそも免許を持っていないので、厳しい学校に通っていた身としては捕まるのはうまくない。
そんなわけで自転車で出掛けたのだが、あまりに早く出すぎてしまったので、途中コンビニに立ち寄って朝食を買う。
池に着いてもあたりは真っ暗だ。懐中電灯で手元を照らしながら、ロッドにリールをセットして、ルアーボックスを開けて、まずは何から試そうかと考えていた。

友「真っ暗だなぁ。もうちょっと待ってからにする?」
私「んー、そうだなぁ」

自転車でそれなりの距離を走ってきたので、腹も減った。
コンビニの袋からおにぎりとかサンドイッチとか取り出して、池の畔でむしゃむしゃ食っていた。
家から持ってきた水筒から、熱いコーヒーを紙コップに注いで友人に渡す。
二人でコーヒーを啜りならが早朝の一服を楽しんでいると、友人が唐突に「なぁ、向こう(対岸)に誰かいねーか?」と言う。
私も目を凝らして見ると、反対側の畔に、ぼんやりと白っぽい影が見えた。最初は、羽を休めている鳥か何かだと思ったが、そうではないことはすぐにわかった。空がようやく白み始めたところだったので、何とか視界も利くようになったからだ。
生い茂る葦で下半身はよくわからないが、頭があり、両腕がある。白っぽいのは、服だった。そいつは、女だった。
ここは、周囲を山に囲まれていて、民家からはかなり離れている。早朝であっても日の出前は何も見えないので、一人で来るのは少々怖い場所だ。私も友人に誘われなければ行かない。池の入口には私達以外の自転車もなければ車もなかったので、他に人が・・・しかも女がいるとはちょっと考えにくかった。
私達がいる畔は少し高い位置にあり、普通に座ることができるくらいに地面は堅い。しかし、向こうの畔は足元が悪く、よほど乾いている時でさえ長靴が必要だ。しかも、この日は雨が降って何日か経った後だったので、向こうは膝下くらいまで水に浸かっているだろう。
池に向かってロッドを振るでもなく、ただ突っ立っているというのはどう考えてもおかしかった。

友「あのさぁ、ここやめて別の場所行く?」
私「・・・・・!」

友人は、動揺した声で私にそう言ったが、私は咄嗟に返事ができなかった。
なぜなら、はっきりと肌で感じるほどに、いきなり気温が下がったからだ。
その冷たさは、明らかに対岸に立っているその女から伝わってくるのだった。
口にするのが怖かったので黙っていたのだが、私はこの時「アイツは、こっちに来るんじゃないだろうか?」と思った。
友人も同じことを考えていたらしく、私に「こっちに来るような気がする・・・」と洩らした。
そして、それは正解だった。
女の影が左右にふらふら動いたかと思った瞬間、こちらに向かってきた。陸上選手のように、両腕を動かしながら走ってきたのだ。
水の上を。
池の水深は数メートルはあるはずだが、女は沈むことなくバシャバシャと水飛沫を上げて、どんどん近づいてくる。物凄い速さだった。私達は恐怖と驚きとで、揃って尻餅を着いた。
あっという間に池の真ん中にまで到達した女は、そこでいきなり立ち止まった。
まだ距離はあったが、女が顔を上げたのがわかった。「見るな!」と友人は私に怒鳴った。怖くて体が言うことを利かなかったので、私はわずかに顔を横に向けて、視線を外した。女の姿を視界に入れないようにした。しかし、女の方はどうやら私達をじっと見ているようだった。「どっちがいいだろうか?」とでも言うような、値踏みするかのような視線を体に感じてゾッとした。
やがて、ドボン!と水音が聞こえたので我に返って視線を戻すと、女は水の中へ消えていた。
私達は顔を見合わせた。友人は湯気の立つコーヒーをバシャバシャ手にこぼしていたが、恐怖のあまり熱さなんて感じている暇がないようだった。もっとも、それは私も同じだったが。
今にも自分達の足元の水面から女が現れるんじゃないかと思うと、生きた心地がしなかった。
ついさっきまで、殆ど無風だったはずだが、その時は周りの木々も何だかざわざわと動いているようで気持ち悪かった。
すぐさま荷物をまとめて、二人して斜面を滑り降りて自転車まで行くと、振り返ることなく一目散に逃げた。それ以来、その場所には行っていない。



他人に話しても信じてもらえないので、今まであまり話したことはないのだが、ここに公開して少しすっきりした。

しかし、なぜだろう?
実はその池自体には何度も行っていたのだが、そんなものが現れるなんて噂は聞いたこともなかった。
別に事件があった場所でもなければ自殺した人間がいるなんてこともないし。
その後も、何かを見たなんて言ったヤツもいなかったしな・・・。
ちなみに「見るな」と言った友人は、「とにかく目を合わせたら絶対ヤバイ」と感じたそうだ。
なんで我々だけが見たのだろう?

ああ、信じる信じないはそれぞれの自由です。
あなたは、どっちでしょうね?w

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2015年07月21日 23:27

読んでしまったじゃないの!!寝る前に、、!

こういう事ってあとで気付いてゾゾーッとするものですが、
これはハッキリと怖かったでしょうね(;´Д`A ```

二人で体験してるから、気のせい!と自分を誤魔化すわけにもいかないし。

私も何度か怖い経験があるので、
いつか記事にて(-_-)

No title

2015年07月22日 23:21

ばんなりましてー。

『暑いから向こうの部屋で寝ろ』と言われてるんですが…今夜は一人じゃ寝れません。
でも暑いしなー…
いや、もう一度読み返せば、また涼しくなるから…
ってもう一度なんて読めるかー!!ヽ(`Д´)ノ

あれですね、きっとこの女の人は忍者です。
人目につきにくい早朝に、水面を走る訓練をしに来てたのです。片足が水に沈む前にもう一方の足を出す。それを繰り返せば水面が走れるのです!
現代にも忍者がいたんですねぇ(*゚-゚)

で、これが一番怖くない話でしたっけ《(;´Д`)》ブルブル

No title

2015年07月23日 17:12

mochiさん、こんばんはー。

不思議とトラウマみたいなものにはなってないですね。
実生活では、生きる人間の脅威に晒されていたので、そっちの方が面倒ではありました;

他にも色々と感じていることもあったはずですが、記憶が薄れてゆくのは止められません。が、ストレートに「怖かった!!」って気持ちは未だになくなりません、これ。
ただ、霊感もない二人が同時にってのはちょっと納得できないんですよね。
それに、その後この話はまったく広まりませんでした。

mochiさんの方がもっと怖い経験してらっしゃるのでは?
でも、記事にされたら読まないですw
だって、怖いもの・・・・。テレビの心霊番組も現在はNGw

No title

2015年07月23日 17:18

ゆぱさん、こんばんはー。

ほほほ。
一人で眠ったら、突然金縛りにあったりしてー!

>ってもう一度なんて読めるかー!!ヽ(`Д´)ノ
もう一度読んだらあら不思議。文章がさっきと変わってるのです!・・・私がずっと書き換えなきゃなりませんがw

実際、水の上を走るのって、試してる番組ありましたよねー。走れるわけないっての!
・・・幼少の頃は、私もやっていたのを書きながら思い出しました!

ストレートな怖さという点では一番怖いですが、まぁまぁ。・・・まだ他にもありますからね~♪
書いてる時何度も後ろを振り返っていたりしますw